下町ロケットを夢見て。日本とアメリカのロケット事情

下町ロケットを夢見て。日本とアメリカのロケット事情

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一昔前、SFの世界の話だと思っていた宇宙移住は、もはや夢ではなくなりました。
米国のNASAは2030年に向けて火星移住プロジェクトを起ち上げており、スペースXで有名なイーロン・マスクも、火星移住計画を進めています。

では、日本はどうでしょうか。
日本では今まで、ロケット開発などの予算が削られるなど、厳しい状況が続いていましたが、宇宙関連法が制定されたことで、民間でもロケットを作る動きが出てきています。
日本の宇宙への取り組み方も大きく変わろうとしているのです。

アメリカでは民間企業のロケットが次々と飛ぶ

NASAの宇宙移住計画[1]

最近は次々と飛び込んでくる宇宙開発のニュースが世間を賑わせています。
米国では、民間宇宙開発企業がつぎつぎとロケットを打ち上げ、さらに映画のように着陸まで成し遂げています。

一方で、「日本の宇宙開発はどうなっているのだろう?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
はたして世界で進む宇宙開発に、日本はキャッチアップできているのか、ここで確認してみましょう。

米国の月面探査には日本も協力!

米国が計画している宇宙ステーション「ディープ・スペース・ゲートウェイ(Deep Sapce Gateway)」[1]

人類は1969年のアポロ計画で、初めて月面に到達しましたが、アポロ計画の終了とともに、月面有人探査から遠ざかっていました。

しかし、米国のドナルド・トランプ大統領は「アメリカの宇宙飛行士をふたたび月へ」のスローガンのもと、月面の有人探査への動きを加速させています。

米国の計画としては、2020年代に月周辺に宇宙ステーションを建設し、月面探査やさらには火星探査の足がかりとする予定です。
さらにこの宇宙ステーションの建設に利用される超大型ロケットの開発も進めています。
また、将来的には、月面基地を建設する計画も発表されているのです。

これまで日本は、国際宇宙ステーション(ISS)の建設から運営まで協力し、その見返りとしてJAXAの宇宙飛行士が国際宇宙ステーションへと滞在するための席も確保しました。

そして今回のような米国を中心とした国際的な今後の有人月面探査でも、日本は無人補給機や月面の資源探査で協力しつつ、その存在感をアピールする予定です。

ロケットの再利用でコスト削減!

次世代ロケット「H-3」[2]

一方、現在ロケット業界の話題の中心となっているのは、間違いなくイーロン・マスク氏が設立したスペースX社によるロケット「ファルコン9」でしょう。
このロケットは打ち上げた後に第1段が地上に着陸し、なんと再度打ち上げることができるのです。
このように、ロケットの一部や全部を再利用することで、打ち上げ費用の大幅な削減が見込めます。

一方、日本が運用している「H-IIA/B(エイチ・ツーA/B)」ロケットや、2020年度の初打ち上げに向けて現在開発が進む次世代ロケット「H-3」には、このような再利用システムは取り入れられていません。
しかし、実はJAXAも再利用ロケットのテストを行なっており、さらに一部報道によれば小型の再利用ロケットの離着陸実験も、2019年春に予定しているようです。

盛り上がる民間の小型ロケット業界

小さな人工衛星や観測装置を打ち上げる小型ロケットとしては、北海道大樹町をベースとしホリエモンこと堀江貴文氏も出資する「インターステラ・テクノロジー社」が観測ロケット「MOMO」の打ち上げ実験を2回実施しています。
このロケットは、科学調査やエンタメ用途での利用が想定されていますが、2020年ごろには衛星用ロケットの運用を始める予定です。

また、JAXAも2018年2月に衛星用ロケット「SS-540」の打ち上げに成功しています。

一方海外では、米国のロケット・ラボ社が小型ロケットの打ち上げに成功。
また米ベクター・スペース・システムズ社や米バージン・オービット社も小型ロケットのロケットの開発を進めており、これから小型ロケット業界はますます盛り上がることでしょう。

小惑星・惑星探査で存在感を示す日本

小惑星「イトカワ」[2]

一方、日本が大きな存在感を示しているのは小惑星探査の分野です。

2010年に小惑星「イトカワ」から岩石を採取し、地球へと持ち帰った探査機「はやぶさ」は世界初のミッション成功として、日本だけでなく世界でも大きな話題となりました。

さらに先日には、はやぶさの後継機となる小惑星探査機「はやぶさ2」が地球接近小惑星「リュウグウ」まで約26万kmの位置まで到達したことが発表されました。
このはやぶさ2は小惑星から岩石のかけらをもちかえるという「サンプルリターンミッション」を通して、太陽系の成り立ちから生命の起源までを解明しようとしています。

それ以外にも日本と欧州は共同で水星探査ミッションを2018年から実施し、2019年度には独自の月面探査計画も実施します。

そして2020年代前半には火星衛星探査機を打ち上げ、「フォボス」「ダイモス」といった衛星から火星の成り立ちを調査する予定です。

はやぶさ2[3]

宇宙に見果てぬ夢をみて

宇宙への移住は、人類にとって大きな夢です。
いままで地球から見上げることしかできなかった星々に住むことができたなら、これほどワクワクすることはありません。
いつしか宇宙から地球を見下ろす日を夢見て、人類のロケット開発は進んでいくのです。


source:
[1]NASA
[2]JAXA
[3]©池下章裕(JAXA)