世界中の人々がフェアでスムーズな価値交換を行うことが可能な社会の実現を目指した共同研究を開始
国立大学法人東京大学インクルーシブ工学連携研究機構(機構長:川原圭博教授、略称:RIISE)と(株)メルカリの研究開発組織「mercari R4D(アールフォーディー)」(以下、R4D)は、共同で「価値交換工学」に関する共同研究を開始することを決定しました。東京大学RIISEは、大学院工学系研究科をはじめとする6部局により2019年10月1日に設立された連携研究機構で、民間企業等との社会連携を通じて、インクルーシブ(包摂的)な社会を実現するための教育・研究に取り組んでいます。インクルーシブな社会における「あるべき未来ビジョン」を実現するためのコアとなる技術を各部局から持ち寄り、ダイナミックな組織を構成し、そのビジョンを実現するための研究部門を立ち上げます。
今回、産学連携の第一弾として、(株)メルカリのR4Dと共同研究契約を締結し「価値交換工学」連携研究部門を2020年1月1日から2024年12月31日までの5年間の計画で設置します。研究経費は5年間で10億円を予定しています。
「価値交換工学」について
人類は古くから物々交換に始まり、現在もさまざまな形で「価値交換」を行い続けています。近年、AIやブロックチェーンといったテクノロジーの急速な発展により新たな価値交換や信用の形が生まれています。RIISEでは「価値交換」に関わるテクノロジーを、既存の学問の枠にとらわれることなく幅広く研究することで、世界中の人々がフェアでスムーズな価値交換を行うことが可能な社会の実現を目指し、以下の3つのビジョンにもとづいた研究課題に取り組んでいきます。
- 価値の分析
モノやサービスの価値を希少性やコンテキストを踏まえて定量化する技術
- 価値の生成
人々が作り出したモノやサービスの価値を生み出し、高める技術の研究
- 価値の交換
価値交換を支えるプラットフォーム技術の研究
R4Dが「価値交換工学」に取り組む背景
R4Dは「テクノロジーの力で価値交換のあり方を変えていく」をコアコンセプトに、メルカリグループのサービスや事業における将来的なイノベーション創出を目指し、AI、ブロックチェーン、HCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション)、量子コンピューティング等を注力技術として研究開発を行っています。
今回の東京大学との社会連携を通じ「価値交換」を学術的に研究し、基礎技術を確立するとともに次世代の人材育成をより活発化させることで、学術の推進および社会の発展に寄与することを目的としています。
R4Dは今後も未来を見据えた先端技術領域に投資してまいります。
インクルーシブ工学連携研究機構(RIISE)について
国立大学法人東京大学は2019年10月1日にインクルーシブ工学連携研究機構(機構長:川原圭博教授、略称:RIISE)を設立しました。RIISEは、工学系研究科、新領域創成科学研究科、情報理工学系研究科、情報学環、生産技術研究所、先端科学技術研究センターからなる連携研究機構として組織され、インクルーシブ(包摂的)な社会を実現するために、領域横断的な研究チームを組成することで、民間企業等との社会連携を通じた未来ビジョンの実現のための教育・研究に取り組みます。
Webサイト:https://www.riise.u-tokyo.ac.jp/
「mercari R4D」について
「mercari R4D」は2017年12月に設立した、社会実装を目的とした研究開発組織です。R4Dは、研究(Research)と4つのD、設計(Design)・開発(Development)・実装(Deployment)・
破壊(Disruption)を意味し、スピーディーな研究開発と社会実装を目的としています。
Webサイト:https://r4d.mercari.com/