Mission
まだ見ぬ価値を
切り拓く
切り拓く
R4D(アールフォーディー)は、社会実装を目的として設立された株式会社メルカリの研究開発組織です。産学官のコミュニティを超えて、科学技術の力で複雑な社会課題を解決するCo-innovation的アプローチを推進することで、メルカリが目指す「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人が可能性を発揮できる社会」を実現します。
まだ見ぬ新しい価値を切り拓くために、私たちR4Dは世界中のコミュニティをつなぐハブとなって、私たちの活動の成果を社会に還元することを追求しながら、野心的に挑戦していきます。
研究開発にとどまらない「4つのD」
What is R4D?
研究開発にとどまらない「4つのD」
R4Dは、研究開発(Research and Development)にとどまらず、未来の社会に実装される(Deployment)ことを想定したデザイン(Design)を行い、ときには既存概念や技術を破壊しながら(Disruption)、新しいものを生み出すことを目指した研究を行うという4つのDの意味が込められています。
所長メッセージ
Director’s Message
メルカリグループは「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」というミッションを掲げています。この実現には、現在の課題に向き合うだけでなく、AIやAR/VR、量子技術といった技術革新を見据え、中長期的な視点から次の価値交換や社会実装の可能性を探索していくことが不可欠です。
R4Dは、メルカリグループのミッション実現に向けて、まだ見ぬ価値を切り拓く研究開発組織です。中長期の社会や事業を見据え、未来の価値交換のあり方や、それを支える基盤技術を探索しています。また、社会の前提を変えうるテーマにも挑戦しながら、技術の可能性と社会的責任の両面に向き合っています。得られた知見を研究成果にとどめず、実際の社会で機能する形へと落とし込んでいくことを大切にしています。
私はこれまでロボット、自動運転、都市AIの開発に携わってきました。個人間のやり取りが促進される世界では、都市やライフスタイルも個人の価値観を起点とした「個人の都市」へと進化していくと考えており、メルカリのミッションに強く共感しています。実際の変化を起こすため、研究開発ネットワーク「メルカリR4Dラボ」を通じて国内外の研究者、自治体、企業とのCo-innovationを拡大します。課題発掘から社会実装までを一貫して推進し、ミッション実現に資するイノベーションの創出を目指します。
あらゆる価値が循環する社会を
見据えた研究活動
Research Activities
見据えた研究活動
R4Dがこれまで手掛けてきた、社会実装やPoCの事例の一部をご紹介します。
AI LCA – ポジティブインパクト(削減貢献量)の自動推計とその可視化
メルカリの事業を通じて生まれる「ポジティブインパクト(削減貢献量)」とは、たとえば新品を購入してすぐ捨てるのではなく、リユースを選ぶことでどれだけ環境負荷を減らせたかを示す考え方です。私たちはこのポジティブインパクト(削減貢献量)を定量化するため、フリマアプリ「メルカリ」における中古品取引がどれだけの環境負荷削減に貢献しているかを可視化する算定方法を構築しています。その成果をもとに、株式会社メルカリはサーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みと成果をまとめた「Impact Report」を毎年公開しています。
さらなる研究課題として取り組んでいるのが、東京大学インクルーシブ工学連携研究機構(RIISE)「価値交換工学」との共同研究による「製品別の環境負荷自動推計モデル」の開発です。マルチモーダルAIを活用し、画像・テキストなどの非構造化データから製品ごとのGHG(温室効果ガス)排出量を推定し、その結果をユーザーインターフェース上でリアルタイムに提示する仕組みを構築します。これにより、従来は困難だった中古市場における膨大な商品の環境インパクトの可視化を可能にします。その結果、生活者が「捨てる」をへらす選択や、リユースを選ぶ意思決定が当たり前になる仕組みや文化をつくることを目指しています。
AIによる梱包体験の再設計(サイズ・重さの推定)
出品時の梱包作業において、梱包に必要なサイズ・重さを推定する研究に取り組んでいます。これは、出品時に発生する梱包方法や配送コストの迷いを軽減し、よりスムーズな取引体験につながります。本研究では、出品におけるプロセスを研究対象として捉え、梱包資材サイズの選択や梱包手順の把握において、出品者が迷いやすく、作業負担が生じやすい点に着目しています。この課題に対して、モバイル端末上で動作する3次元物体検出モデルなどのコンピュータビジョン技術やVLM(Visual Language Model)などを応用し、画像から出品物の寸法や重さを推定するアプローチを研究しています。また、推定結果をAR(拡張現実)によるガイダンス表現と接続することで、ユーザーが梱包プロセスを直感的に理解し、そのまま実行できる提示方法の開発にも取り組んでいます。これらを通じて誰もが迷わず、適切なコストで出品できるマーケットプレイス体験の実現を目指しています。
ELSIの視点を取り入れたAIガバナンス
大阪大学社会技術共創研究センター(ELSIセンター)との共同研究を通じて、AIをはじめとする先端技術の社会実装に伴う倫理的・法的・社会的課題(ELSI)を、人文社会科学の視点から整理・分析してきました。これらの知見を企業活動の中で運用できる形へ落とし込み、「メルカリグループAI活用基本ポリシー」の策定にも活用しています。
共同研究の一環として、ELSIセンターの研究者が、技術動向や社会状況の変化、社内外のフィードバックを踏まえた本ポリシーの見直しに対して継続的に助言を行ってきました。このポリシーは、AIの可能性を最大限に活かしつつリスクを適切に管理し、信頼されるAI活用を実現するための土台として活用されています。
なお、これらの共同研究としての取り組みは論文としても公開されており、企業におけるAI活用とAIガバナンスの実践知として社会への還元を進めています。
さらに、生成AIが急速に普及し、LLM(大規模言語モデル)を活用したプロダクト開発が本格化することを見据え、 早期から安全かつスピーディーに開発に取り組めるよう、LLMに特化したガイドラインもいち早く策定・公開しました(現在は内容の見直し・更新が行われています)。
Co-innovation Program
「メルカリR4Dラボ」
Research Activities
「メルカリR4Dラボ」
メルカリR4Dラボとは
メルカリR4Dラボは、株式会社メルカリの研究開発組織「R4D」が運営する研究開発ネットワークです。「あらゆる価値が循環する社会」の実現を目標に掲げ、分野や組織の枠を超えた産学官の協働(Co-innovation)を通じて、社会課題の解決を目指しています。2025年7月の始動以来、課題発掘から社会実装までを一貫して推進しています。
Collaboration Projects
研究推進体制
Research
Organization
Organization
Research Acceleration
R4DおよびメルカリR4Dラボの研究活動を加速・円滑化する制度や施策を構築・運営、また、社内外との連携を通じて包括連携研究を推進していきます。そのためにR4Dでは、研究開発倫理審査委員会や研究開発アドバイザリーボードの運営も行っています。
研究開発倫理審査委員会
R4Dは、研究開発活動を中長期的に捉え、研究成果を社会実装することまでを射程においたとき、倫理性や社会性に配慮することが不可欠だと考えています。研究倫理指針に基づいた審議を経てから研究開発を行う仕組みをつくるため、「研究開発倫理審査委員会」を設置しています。
研究開発アドバイザリーボード
研究開発アドバイザリーボードは、社外有識者が研究開発に関する助言・提言を行う組織として、研究開発における意思決定プロセスの強化を目的に2019年9月に設置されました。研究開発アドバイザリーボードでは、R4D内の研究テーマに対する第三者視点のフラットな立場でのフィードバック等についての検討が行われています。(五十音順)
- 落合 陽一 メディアアーティスト / 博士(学際情報学)
- 曾川 景介 newmo株式会社 Co-Founder / CTO
- 村井 純 工学博士 / 慶應義塾大学 特別特区特任教授
- 森 正弥 博報堂DYホールディングス執行役員 / Chief AI Officer / Human-Centered AI Institute代表
- 山本 晶 慶應義塾大学 商学部 教授
