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「mercari R4D」が参画するQITF、量子インターネットの実現までの道筋についてまとめたホワイトペーパーを発表

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株式会社メルカリの研究開発組織「mercari R4D」が参画する「量子インターネットタスクフォース(Quantum Internet Task Force, 以下、QITF)」※1は、2021年2月10日、量子インターネット※2の実現までの道筋についてまとめたホワイトペーパーを発表しました。

執筆は、mercari R4D Senior Researcherで、QITFの代表を務める永山 翔太を中心に進めました。

ホワイトペーパーの主なポイント

量子インターネットとは、量子情報技術による次世代通信インフラです。現行型デジタルコンピュータでは不可能な計算能力を実現する量子コンピュータのように、現行型インターネットやbeyond 5Gなどのデジタルデータを伝送する通信基盤では不可能な通信能力・分散計算能力を実現することが期待されています。
今回のホワイトペーパーは、人類の社会課題が量子インターネットの実現によってどのように解決されるかや、生み出される社会像、そこにたどり着くために必要な研究開発について提言しています。
また、今後の研究競争力・産業競争力の双方を担保するためには、研究と開発が密接に関わるプロジェクトに携わる研究者に対して、論文になりにくい標準化活動やテストベッド※3構築のような成果を評価する仕組みが必要であることを、大学や競争的資金配分機関に対して提言します。

今後に向けて

人類の財産であるインターネットの研究・開発・運用は、権力や責任を集中させないマルチステークホルダーモデルによって、今日までの健全な発展を遂げてきました。QITFでは、今回発表したホワイトペーパーをベースに、国内外の研究者や科学技術行政関係者と研究開発の協力に向けた議論を進めています。また、量子インターネットの健全な発展のため、協力者を募っています。

詳細についてはこちらのリンクをご参照ください。 https://qitf.org/files/20210210_qitf_whitepaper.pdf

mercari R4Dは、IT技術をバックグラウンドに量子インターネットアーキテクチャや通信プロトコルなどの研究に取り組み、QITFでの活動を通じて次世代インターネットの実現に貢献してまいります。


※1 QITFは、2019年5月に任意団体として設立され、研究活動をおこなうとともに、コンソーシアム化の準備を進めてまいりました。日本で初の量子インターネット研究推進団体として、次世代IT革命の中核通信技術である量子中継技術の研究開発を推進します。
https://qitf.org/

※2 量子インターネットは、量子信号形式で情報を送受信する、量子情報のインターネット技術です。量子信号の中継技術によって量子特有の現象である「量子もつれ」を量子デバイス間に生成し、量子もつれそのものを使った計算処理や、量子テレポーテーションによる量子情報の送受信を可能にします。この領域のこれまでの研究では、「量子もつれ」を活かした、通信セキュリティや超高精度時刻同期、高精度宇宙望遠鏡、インターネット越しの分散量子計算や秘匿量子計算など、社会や科学の発展に大きく貢献することが期待されるアプリケーションが見つかっています。すなわち、量子インターネットは、量子前提社会に不可欠な社会インフラとなります。

※3 テストベッドとは、科学理論や新技術を検証するためのプラットフォームです。量子インターネットのような複雑で大規模なシステムの研究開発には必須となります。量子インターネットは広域通信の検証が可能なテストベッドが必要となります。

mercari R4Dについて

「mercari R4D」では、設立時より量子情報技術の研究開発を行ってきました。量子前提社会において、メルカリが世界的なマーケットプレイスを目指し、安心・安全なサービスとして発展していくためには、量子情報技術に対応したセキュリティに取り組んでいく必要があると考えています。また、お客さまにより便利に使っていただけるサービスを目指し、機械学習への応用や配送の最適化などへの量子情報技術全般の活用を見据えた研究開発を行っています。

ウェブサイト:https://r4d.mercari.com/
研究に関するお問い合わせは、R4D Web内コンタクトページよりお願いいたします。

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