こんにちは!mercari R4DのResearch Administrator、岡林輝(@okarin)です。2022年4月にmercari R4Dにジョインし、2022年9月から開始した、国立情報学研究所(以下、NII)を通じた研究機関へのフリマアプリ「メルカリ」の出品データの提供の担当をしております。 (参考:NII/情報学研究データリポジトリ(IDR)https://www.nii.ac.jp/dsc/idr/mercari/) 今回、mercari R4Dのオフサイトで、メルカリアプリデータがどのような研究に活用ができるか、アイデアソンを行いました。この記事では、当日の様子をお届けします。
※なお、オフサイトではNIIを通じて提供している出品データ以外のメルカリアプリデータも扱っています
アイデアソンの様子
メルカリが「限りある資源が循環する、より豊かな社会」を目指していることから、今回はSDGsの17の目標に関連した課題解決を軸に、研究活用アイデアを考えました。 mercari R4Dでは、既存事業をグロースさせるような研究開発に限らず、循環型社会の実現に向けた研究開発を推進しています。そのため、量子情報技術、HCI、mobility、BlockChain、AI、ELSI、コミュニケーションといったバラエティのある研究領域を専門とするリサーチャーが所属しています。今回のオフサイトでもさまざまな研究領域のリサーチャーを1つのグループにし、多様な専門性と観点からアイデアを出し合いました。
オープニングの様子
グループに分かれてアイデアを出す様子
アイデアソンで出た研究活用方法
アイデアソンは短い時間でしたが、15個以上のアイデアが出ました。どのアイデアもリサーチャーの多様な専門性が活かされていて、ワクワクするものばかりでした! その中からいくつか簡単に紹介します。
- 発送地域ごとの需要と供給、マッチング手法の研究をすることで、廃棄物の削減や、廃棄物の発生自体を防ぐことへ貢献する [SDGs目標12]二次流通量と出品地域との関係性を分析することで、地域ごとの特徴を分析し、その特徴を活かした地域発展への寄与や、個人規模ではなく地域規模の需要と供給のマッチング研究に発展する可能性
- 価値の交換を通じた心理的な消費行動に関する研究を行い、信頼でき公平な価値の取引を行えるインフラ構築へ貢献する [SDGs目標9]お客さまの購入・出品物を仮想的に繋ぎ、わらしべ長者のようなシミュレーション分析を行い、物の価値の捉え方の研究に発展できる可能性
- コミュニティ形成やコミュニティ間の交流などの心理学的研究により、立場・状況に関わらず、すべての人が社会的に包含されることに貢献する [SDGs目標10]出品者や購入者の属性などから仮想的なコミュニティを設定し、その大きさや他コミュニティとの親和性を定量評価することで、新しいコミュニティへの参画方法を促す手法の開発やコミュニティ形成過程の研究に発展できる可能性
最後に
今回、半年ぶりに対面でのオフサイトを開催しました。また新オフィス「Mercari Base Tokyo」リニューアルオープン後の初めてのオフサイトだったため、久しぶりに対面で会うmercari R4Dメンバーと楽しみながら、新しくなったフロア内を見て回る良い機会になりました。
そして冒頭にも紹介しましたが、mercari R4Dでは2022年9月にNIIを通じて研究機関へデータ提供を開始し、実際に研究に活用されています。 そのNIIにて12月に、データ提供企業とデータを活用する研究者との交流を促進する、NIIユーザフォーラムが開催されました。mercari R4Dもデータ提供企業として参加し、今回のオフサイトで得たアイデアや議論を紹介しました。
最後に私個人の感想として、今回題材にしたメルカリアプリデータの研究活用の幅とmercari R4Dのリサーチャーの専門性の幅の広さに改めて驚きました。情報系の研究領域に限らず、上で紹介した消費行動の研究の他、経済学や心理学などにもメルカリアプリデータを活用できるアイデアもあり、ワクワクが止まりませんでした!今後もワクワクするような研究を推進していきたいと思います。
プレスリリース https://r4d.mercari.com/news/provide-listing-data/ NIIデータ提供ページ https://www.nii.ac.jp/dsc/idr/mercari/ NIIユーザフォーラム https://www.nii.ac.jp/dsc/idr/userforum/2022.html (詳細プログラム https://www.nii.ac.jp/dsc/idr/userforum/program_2022.html#company)