〜研究開発ネットワーク「メルカリR4Dラボ」の拡大および研究の社会実装の加速とともに、AI領域の強化へ〜
株式会社メルカリ(以下:メルカリ)の研究開発組織 「R4D(アールフォーディー)」(以下、R4D)は、2025年9月1日付けでHead of Research(所長)に元ウーブン・バイ・トヨタ株式会社でWoven CityのAI開発責任者であった小堀訓成が就任したことをお知らせいたします。
新所長就任の背景
R4Dは、これまでメルカリグループのミッションである「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」の実現に向けて、分野や立場を超えた産学官の協働による社会課題の解決(Co-innovation)が不可欠であるという考えのもと、様々な大学や自治体との連携に取り組んできました。2025年7月には、産学官で協働する研究開発ネットワークを「メルカリR4Dラボ」として研究体制を強化し、研究開発のさらなる拡大と加速、メルカリ内外の多様なコラボレーションの創出を目指しています。
また、近年、生成AIや大規模言語モデル(LLM)をはじめとするAI技術は驚異的な速度で発展し、研究開発と社会実装のフェーズがほぼ同時並行で進む時代に突入しています。メルカリはこうした環境変化を経営の最重要テーマの一つと捉え、2023年以降、社内横断の生成AI/LLM専任チーム設立、生成AIを活用した出品・検索・マーケティング機能の強化、社内業務の効率化、全社員のスキルアップ施策、生成AIガイドライン1の策定など、AIを事業成長の原動力とする取り組みを加速してきました。これらは単なる技術導入にとどまらず、全社の働き方や組織構造の変革をも視野に入れた「AI Native Company」への進化を志向するものです。
このような経営戦略の転換期において、Woven Cityや自動運転の開発プロジェクトを通じて研究成果の社会実装の実績があり、AI領域に深い専門性を持つ小堀がR4Dの所長に就任します。R4Dは研究開発とビジネス現場の接続を一層強化し、「メルカリR4Dラボ」を軸に国内外の研究者・自治体・企業とのCo-innovation(共創)を拡大していくことを目指します。科学技術の価値を迅速かつ的確に社会やサービスに実装する体制を構築し、AI時代にふさわしい研究開発の加速とメルカリグループのミッション実現に向けた持続的成長を同時に実現していきます。
小堀訓成(こぼり・のりまさ)プロフィール
早稲田大学大学院を修了後、ソニー株式会社、トヨタ自動車株式会社、Toyota Motor Europe NV/SAにて、イメージセンサ、ロボティクス、自動運転、海外研究統括などを歴任。名古屋大学大学院にて博士(情報科学)を取得。直近は、ウーブン・バイ・トヨタ株式会社で、Woven CityのAI領域の責任者として、都市の理解に向けたマルチモーダル基盤モデル(City-LLM)や国際的なワークショップ(AI City Challenge)などを主導。現在、名古屋大学客員教授、および、科学技術振興機構、領域アドバイザーを兼務。
小堀訓成 コメント
これまで、学生時代からロボット、自動運転、都市に関わるAIの開発に携わってきました。直近では、都市の未来を考えるようになりました。C2Cプラットフォームは、今後の都市や社会そのものが進化していく方向だと私は考えております。それは、人の移動やモノ・サービスなどのやり取りが、より個人間で促進する世界であり、都市やライフスタイルがより個人の選択や価値観を起点とした「個人の都市」として進化していきます。
その上で、どんな付加価値が個人の間で享受でき、それが社会全体として循環し、発現していくのか。単にCO2や環境負荷低減だけでなく、Well-beingやお客さま満足度の向上など、様々な価値の創出につながっていくのか、は社会の重要な命題だと考えます。メルカリが掲げる「あらゆる価値が循環する社会」というミッションは、私がこれまで考え、取り組んできた ”技術を社会実装し、人々の生活や都市を変えていく活動” と強く共鳴します。
R4Dの所長として、「メルカリR4Dラボ」を通じて国内外の研究者や自治体、企業とのネットワークをさらに拡大し、AIなどをはじめとした技術を核に社会実装を加速させていきます。メルカリおよびR4Dは今後もメルカリグループのミッション実現に資するイノベーションの創出とその社会実装を目指してまいります。
「メルカリR4Dラボ」について
「メルカリR4Dラボ」は、R4Dが展開する、産学官で協働する研究開発ネットワークの総称です。2025年7月に始動し、分野や立場を超えたCo-innovation(共創)の場として、課題の発掘から社会実装までを一貫して推進しています。国内外の研究者、自治体、企業など多様なステークホルダーとの連携を通じて、あらゆる価値が循環し、あらゆる人の可能性が広がる社会の実現を目指します。
研究に関するお問い合わせは、R4D Web内コンタクトページよりお願いいたします。
- mercari R4DのELSI研究成果、「LLMを用いたプロダクト開発をスピーディーに行うためのガイドライン」を一般公開(https://r4d.mercari.com/news/LLM-guideline/)↩